2024年度の近況報告
- appliedpathol
- 2月19日
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2022年4月に教室名が分子病理学から応用病理学となり、2024年度は3年目となりました。教室運営は順調に進んでいましたが、年度末になって私が内閣府に赴任することとなり、教室運営も大きく変わりました。私自身は現在も毎日短い時間ではあっても東大のキャンパスで過ごすことにしています。2024年4月からの出来事について順に日記風に書いていきたいと思います。
2023年11月に文化功労者に選定していただいたこともあり、2024年4月23日には赤坂御苑での園遊会にお招きいただき、また5月11日には東大医学部病理学同窓会で皆様にお祝いしていただきました。皆様から温かい言葉をいただき、深く感謝します。文化功労者に選定していただいたのは、スウェーデンウプサラ大学での研究活動から、癌研究所、東大分子病理、応用病理で多くの皆様とともに研究を進めてこられたことに対するものですので、教室員、OB・OGの皆様と共にお祝いすることができたのは大変ありがたいことでした。最近聞いた話ですが、国際共同研究による論文は引用回数が多くなるというデータがあるそうです。私は深く考えずに、スウェーデンや米国、オランダの研究者と共同での論文を発表してきましたが、それが図らずも引用回数の増加に繋がっていたのかもしれません。多くの海外の友人に改めて感謝しているところです。
2024年5月27日〜30日まではスウェーデンのソレントゥナ (Sollentuna) でNobel symposium 2024, TGF-β family: future frontiers in medicine and physiologyが開催されました。このシンポジウムはウプサラのAris さんが企画したものですが、クローズドのシンポジウムで、日本からは私一人しか参加しませんでした。ソレントゥナはストックホルムの近郊にあるリゾート地で、ここで4日間にわたって旧知の研究者たちと久しぶりに会うことができて幸せな時間でした。興味深い発表が多かっただけに、もう少し多くの方に参加してもらえるとよかったのにと思ったところです。一方で、2年に一度開催されるFASEBのTGF-β meetingは、私は日程の関係で参加できませんでした。今回は米国ナイアガラで開催されましたが、私はナイアガラには行ったことがありませんのでたいへん残念でした。参加された方々の話では今回も有意義な会議だったようで、今後もFASEB conferenceが継続することを祈っています。
2024年度もいろいろなところで講演や講義をさせていただきました。脳腫瘍の研究に関しては7月19日〜20日に第24回日本分子脳神経外科学会が佐賀で行われたこともあり、私は帰省して実家から佐賀まで列車で通いました。田園風景を列車の窓から見ながら(7月ですのでものすごく暑かったですが)、学会会場まで往復して楽しい時間を過ごしました。また2025年1月31日には江帾さんにお招きいただき、和歌山県立医大で講義をさせていただきました。和歌山に行くのは久しぶりでしたが、江帾先生が元気に活躍しているのを見ることができて大変嬉しかったです。
(中略)
5月14日に虎ノ門にあるSweden大使館で「Sweden & I」という演題で私の長年のスウェーデンとの関わりや最近の研究活動を紹介させていただいたり、実験医学のコーナーで「再びスウェーデンへ」と題してスウェーデンとの関係を中心に紹介させていただきました。脳腫瘍の研究はまだまだ継続しますので、皆様には見守っていただければと思います。
私は2000年8月に東大医学系研究科の教授になって以来、多くの修士、大学院の学生の指導をさせていただきました。分子病理学教授を退任して以降も、応用病理学の卓越教授として大学院生の指導してきましたが、最後の大学院生となった荻窪さんが2025年3月に学位を取得し大学院を卒業しました。荻窪さんの論文はCancer Science誌に採択されました。2000年以降、分子病理・応用病理で学位を取得した方は修士24名、博士45名(論文博士を含む)となります。
(中略)
私は現在も内閣府での仕事が終わった後は毎日東大に通っています。健康のために大学周辺を散歩していますので(食後に散歩すると血糖値のコントロールには抜群の効果があります)、見かけた人がいるかもしれません。私のような年齢になっても毎日東大に通っている教員(正確には元教員)はほとんどいないのではないかと思い、時々不思議な感覚になります。もうしばらく、研究の現場に関わり続けていきたいと思いますので、皆様には今後もよろしくお願いします。
(2025年7月 Annual Report 2024より抜粋改訂)